綵理舎さん|LUPOPO作家紹介

今回は綵理舎さんに、作品に込めた想い、制作へのこだわりを聞かせていただきましたので、ご紹介させていただきます。
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Q. どんな作品を作っていますか?
モチーフは放散虫(ほうさんちゅう)という海のプランクトンの殻です。これはアメーバとよく似た単細胞生物で大きさは0.2mmくらいなのですが、ガラス質の殻を作り、古生代から現在まで大絶滅を何度も乗り越えてさまざまな形に進化しつづけてきた生き物です。殻の形のバリエーションがとにかくすごいので(語彙力)ぜひ画像検索してみてください。大学時代に中生代の放散虫を研究していました。

Q. どんな素材・技法で作っていますか?その素材を選んだ理由は?
素材は主に白のレース糸40番(普通のレース糸)で、技法は昔ながらのかぎ針編みです。本物の放散虫の殻はガラスなので、生きている時は無色透明ですが、化石になると白くなり、ガラス光沢があります。光沢が強めのレース糸は、それによく似た質感になります。また、かぎ針編みは作れる形の自由度が最も高いので、あみぐるみによく使われる技法です。

Q. 1つの作品が完成するまでに、どれ位の時間がかかりますか?一番時間をかける工程は?
モデルとする種類(実際に編めるかどうか)を選び、試作しながら設計を決めていくのは月単位の時間がかかり、時には年単位で寝かせることもあります。設計ができてしまえば、チャームなら2〜3時間、コースターなら1日程度で製作できます(洗濯等の仕上げ工程はまとめてやるので除く)。

Q. 作品づくりで大切にしているこだわりは?
まず本物になるべく近いこと(専門家が同定できるレベルで)、それとデザイン的な完成度の両立です。これはモデルとする種類を選ぶところから始まります。

Q. いつから作品を作っていますか?作り始めたきっかけは?
筑波で研究員(専門は放散虫ではない)をしていましたが、体調悪化のため少し早めに退職したのが2018年で、アウトリーチ活動をしていたこともあり、半療養状態でもできることとして科学的な(?)ハンドメイドを始めました。以前にも放散虫の学会でぬいぐるみとあみぐるみを販売したことがあり、今度はもっと本物に近いものを作りたかったので、素材を木綿レース糸にしました。直接のきっかけは、普通のレース編みをしていて「パプコーン編み」という立体模様が放散虫の出っ張りじゃん!と思ったことです。
Q. 作家活動の中で一番わくわくする瞬間は?
設計がうまくいった時ですね。あとマニアックすぎてアレなんですが、専門家に「あっこれ〇〇だー!」と同定してもらえた時でしょうか。

Q. これから作ってみたいもの、挑戦してみたいことはありますか?
他にも殻を作る微生物はいて、面白い形をしていますので、そういうものも作る予定です。たとえば星砂がそうですが、星砂は去年作ってまだ在庫がありますので、対面イベントの時に見ていただければと思います(東京限定で申し訳ありません、画像はTwitterにもあります)。また、色使いも楽しみたいので、カラフルな花なども作ってみたいです。
Q. 作品を手にした人に、どんな時間を過ごしてほしいですか?
ただ綺麗だなーでも良いですし、微生物がこんな複雑な形を作るんだーと知ってもらえるのも嬉しいです。また、海に揺られるイメージとか、悠久の時間を想像して、ゆったりした気分になってもらえるのもいいなと思います。






店主 花井からひとこと
綵理舎さんの放散虫は、専門家が同定できる正確さとデザインの美しさを両立させようとする姿勢に、研究者としての眼差しとものづくりの情熱の両方を感じます。これからのカラフルな花や星砂の展開も、楽しみにしています。