LUPOPOからのお手紙 〜ものづくりが好きなあなたへ〜
子育てや、家族のお世話、お仕事や学業がある中で、
貴重な制作時間を作り、大切な作品を見せて頂きありがとうございました。
ひとつの作品が出来上がるまでには、
「これを作りたい!」という豊かな情熱。
それを具現化する技術の習得。
理想の形に仕上がるまで、
数えきれないほどの試行錯誤を繰り返し、
調整、微調整を経て、やっとのことで作品が出来上がります。
上手くいく時もあれば、
思うように上手くいかない時もあります。
諦めてしまいそうになることも、
心が折れそうになることもあります。
制作とは「これでいい」「これではない」
そんな「否定」と「肯定」の繰り返しの連続です。
必要であれば肉をつけ、必要でないものは削ぎ落とす。
そうして少しずつ形が生まれ、最後に残る小さな結晶。
それが『作品』です。
人はみな姿、形も違えば、
好きな色、好きなもの、喋り方や性格、
今までの経験や環境、全てが違います。
世界中どこを探しても、
誰一人として同じ人がいないように、
同じ作品というのは存在しません。
だからこそ、
その人だけが持つ個性が作品に現れています。
例外はたったひとつもありません。
だからこそ、ハンドメイドの作品は面白いのです。
まるで世界中を旅しているかのように、
その作家さんだけが持つ世界へと私たちを連れて行ってくれます。
実は作品というのは、
その時、その瞬間にしか作ることが出来ません。
それは、
料理が上手くなってしまえば、
料理が上手くなかった頃の料理を作ることが出来なくなるように、
作品は時間と共に変化をしていきます。
さっきまでお腹が空いていた自分が、
ご飯を食べ終わったら、もう満足してしまった自分に変わるように、
その瞬間、その瞬間に自分自身が変化してしまうからです。
今作っている作品は、
”今のあなたにしか作れない作品”です。
3年前のあなたが作る作品と、
今のあなたの作る作品が違うように、
3年後のあなたが作る作品はまた違います。
つまり言い換えれば、
あなたが今作っている作品は、”この先2度と作れない作品”なのです。
今この瞬間にしか生まれることの出来ない、もの凄く尊い作品なのです。
だから、
完璧でなくてもいいし、不完全でもいい。
上手く出来ても、上手く出来なかったとしてもいい。
今あなたの中に何か足りないものがあったとしてもいい。
だけど、
今のあなたは今しかいないのだから、
あなたの全てをひっくるめて、その全てにマルをつけてあげてください。
ハンドメイドの作品が世界しかない理由は、
それを作る作家さんが世界にひとりしかいないからです。
あなたはこの世界にたったひとりしかいない貴重な存在です。
大好きな人に優しくしてあげるように、自分自身にもあなたが作る作品にも優しくしてあげてくださいね。
あなたが今この瞬間に、
あなたらしくいることを、いつでも応援しています。
今日もあなたの貴重な時間の中で、
企画展に参加して頂きありがとうございました。
愛と感謝を込めて。
LUPOPO店主 花井 2025.10.21