ものづくりをするあなたへ 〜LUPOPOからのお手紙〜

作業机の上には、小さなランプが灯っていた。
窓の外には、しとしと、と雨が降っている。
机の上には、色とりどりのビーズ、
買い集めたお気に入りのパーツ、小さな金具が広がっていた。
赤を置いてみる。
少し違う。
今度は水色。
その隣に白を合わせてみる。
「あ、かわいい」
思わず声が出て。
誰に聞かせるでもなく、ひとりで笑った。
糸を通し、結び、ほどき、また結ぶ。
少し形になっては、もっと良くできそうな気がして、またやり直す。
時計を見ると、もう午前二時を過ぎていた。
だけど手は止まらない。
これができたら、次はあの色を使ってみよう。
もうすこし小さくしてみよう。
ひとつ作るたびに、次に作りたいものが増えていく。
いつの間にか雨は止んでいた。
カーテンの隙間から、やわらかな朝の光が入ってくる。
机の上に並ぶ、小さな作品たち。
どれも少しずつ違っていて、どれも愛おしく思える。
ひとつを手に取って、光にかざした。
作品を見て、満足そうに笑う。
まだ誰にも見せていない。
まだ名前もつけていない。
ただただ作ることが楽しくて、夢中になったあの瞬間。
ぽっかりと空いた心をなにかが満たしてくれた感覚があった。
ーーーー
ものづくりを始めたばかりの、あの頃の気持ち、
今も変わらず、持ち続けていますか?
好きで始めたものづくり。
いつの間にか、
やらなければいけないことに変わっていませんか?
「もっといい作品を作らなければ」
「もっといい写真を撮らなくては」
「もっとSNSで宣伝しなければ」
もちろん、真剣になればなるほど、
やるべきことは増えていきます。
売り上げを上げようと思えば思うほど、
作業の量も増えていきます。
でもひとつだけ、
忘れないでいて欲しいことがあります。
売上だけがハンドメイドの正解ではありません。
もちろん、作品が売れれば嬉しいです。お金はとても大事です。
ですが、
もっと、もっと、と望み過ぎると、苦しくなってしまうときもあります。
富士山の頂上に登った瞬間に、
エベレストの頂上が見えてくる。
日本チャンピオンになった瞬間に、
世界チャンピオンが見えてくる。
でも、本当は山の登り方も人それぞれ。
早く登ってもいい、どんどん高いところへチャレンジしてもいい。
逆に、
草木を眺め、お花を探しながら、ゆったりと歩いてもいい。
どんなスタイルでもいいのです。
いつまでも山登りを好きでいられるようにいてほしいなって思うのです。
それは作家活動も同じです。
作業に追い詰められてしまうこともあります。
時にオーバーワークになってしまうこともあります。
環境の変化や、体調の変化に悩む時だってあると思います。
ですが、実はそんな時、人は、
「もっと頑張らなきゃ」
「もっと作らなきゃ」
「もっと発信しなきゃ」
と、自分を追い込みやすいんです。
作品が売れることが、
全てを解決してくれるのではないかと、
さらにアクセルを踏み込みがちなんです。
その結果、頑張っているのに、
なぜか前より苦しくなってしまう。
たくさんの人に見てもらえているのに、
数字ばかりが気になってしまう。
そんな時こそ、思い出してほしい。
最初は違ったことを。
売り上げをあげるために始めたわけではなかった。
数字を伸ばすためでもなかった。
誰かと比べるためでもなかった。
ただ、作りたくて。
ただ、楽しくて。
ただ、好きだった。
それだけで心が満たされた。
そのときの気持ちを、もう一度思い出してみてください。
もしも今、
あなたが作家活動を続ける中で、
心のどこかに違和感を感じているのだとしたら、
一度立ち止まって、自分自身に聞いてみてください。
「今、本当に作りたいものはなんだろう?」
「今、本当にやりたいことはなんだろう?」
売れるものではなく、
今一番作りたいものを作ってもいい。
表現したいことがあるなら、
思い切り表現してみてもいい。
休みたいなら、
休んだっていい。
あなたが好きではじめたことならば、
あなたの好きなようにやればいいのです。
作品の世界はどこまでも自由です。
制限がありません。
どんな表現をしてもいい。
どんな素材を使ってもいい。
どんな色を使ったっていい。
それと同じように、
あなたの作家活動はどこまでも自由です。
制限をかけるのは、いつだって自分自身です。
だからこそ、
あなたの好きを大切にして、
あなたの楽しい気持ちを大切にして、
あなたのペースで自由に進んでいってください。
あなたのその感性は、
他の誰にも真似することができない、たったひとつの宝物です。
この世界のどこを探しても、
あなたのなか以外には、どこにも見当たりません。
その素直な心のままに、
あなた自身を自由に表現してくださいね。
ぼくとLUPOPOは、
これからもあなたの自由な作家活動を、
心より応援しています。

今日もあなたの貴重なお時間のなかで、
『みんなでシェア☆企画展』に参加して頂きありがとうございました。
また次回も作品に出会えることを、
楽しみにお待ちしております。
感謝と愛を込めて。
2026.9.15. LUPOPO店主 花井














