【店主のコラム21】自分の弱さに気付いたら人生が楽になったぼくのお話。
自分の弱さに気付くのに、30年掛かりました。
LUPOPO店主 花井です。
「強くならなきゃいけない。」
「勝たないといけない。」
「乗り越えなければいけない。」
子供の頃からずっとそう思ってきました。
でも、誰かと競争することも、どこか心地良いものではなくて、
人に勝ったとしても、そこまで気持ちのいいものではなくて、
ずっとどこかに違和感を感じながら育ってきました。
人生ではじめての挫折。
幼稚園から高校までサッカーをずっとやっていました。
中学から高校に入るとき、
その当時サッカーが日本一強いと言われていた高校になんとか入り、サッカー部に入ることができました。
『なんとかなる!』と思い挑戦してみたはいいものの、
全国から凄い選手が引き抜かれるその高校では、残念ながらぼくは実力不足でした。
理不尽な体育会系の上下関係の厳しさにも耐えられず、
1学期間が終わったあと、その高校を辞め、他の高校へ編入してしまいました。
これがぼくの人生で初の挫折の瞬間でした。
(今になって思えば、高校生にして早々と挫折を味わえた事がとてもいい経験になったと思っています。)
その後もぼくの『なんとかなる!!』精神は変わる事はなく、
ここに書き切れない程、何度も何度も挑戦しては、恥ずかしい思いを沢山してきました。
人生初のLIVEでは、友達に誘われたコピーバンドで、
知らないバンドの、知らない曲を、2日で6曲覚えてくることになり、
『それでもOK!!』と言って、ステージに立ってはみたものの、本当に散々な想いをしました。
LIVEハウスのステージにも立った事もなく、
当然のように曲も覚えられなかったので、
「楽譜を見ればいいかな?」と思っていたのですが、
ステージ上は照明が暗くて何も見えず、
音量の調整も出来ず、自分のギターの音も聞こえず、
挙句の果てに、力み過ぎてギターの弦は切れ。。。(とほほ。。)
30分間何も出来ずにステージ上に立ったまま過ごしました。。。
(今考えても青ざめる光景です。。が、失敗し過ぎて笑えてもきます。。)
(ある意味では、これ以上ないライブを1番最初に経験する事が出来たのです)
その後もぼくの挑戦は続き、
30歳の誕生日がくる前に、LUPOPOをひとりの女の子に任せて1年間の世界一周の旅に出ました。
旅立ったのは良かったものの、世界一周の夢は叶わず、
結局はアジアのベトナムでぼくは完全に体調を崩してしまいました。
言葉も通じず、今まで感じたことがない程体調が悪く、
宿も見つからず、まさに八方塞がりでどうする事も出来ない。
その瞬間、ぼくの中でパンッ!!と、何かが弾けた感じがしました。
そう。
この瞬間が、ぼくが自分の弱さを知った瞬間だったのです。
それまでは
強くならなきゃいけない。
何でも自分で乗り越えなきゃいけない。
何があっても動じない精神力を持たなきゃいけない。
と思って強くなろうとしていたのですが、
自分にはどうすることも出来ない状況になってはじめて、
自分の弱さを素直に認める事ができました。
自分の弱さを理解することで、ぼくの中に起きた変化。
「人に勝たなくていい。」
「完璧でなくていい。」
「乗り越えなくていい。」
強さを求めていた時の気持ちの張りがなくなって、
「弱くてもそのままでいいんだ。」と、
ありのままの自分の姿を認める事ができたのです。
弱いなら弱いまま進んでいけばいい。という事に気がつきました。
強くなり感受性が鈍くなるのではなくて、
弱いまま、感受性を敏感に保ったままただ進んでいけばいい。
言い換えれば、それこそが本当の強さだと気が付いたのです。
100mを5秒で走れる訳ではなくて、
全ての言語を理解出来る訳ではなくて、
自分に出来る事は限られている。
決して完璧ではないぼくですが、
弱さを認めた結果、ちゃんと自分が自分を愛している事を知りました。
痛みを感じたら手を引く。
お腹が減ったら何かを食べる。
そんな普段から何気なくしている行動の源は、
自分への愛情から来ている事なのだと思います。
自分を大切にしよう!というよりは、
すでに自分を大切にしていた事に気付いた!
それからぼくの人生が楽になったのです。
最後までお読み頂きありがとうございます。
失敗したっていい。
振り返ればその経験こそが、とても大切な財産になっているのです。
あなたにとって、
ふっと肩の力が抜ける柔らかな1日でありますように。
愛と感謝を込めて。
2020.11.8 店主 花井 →@Lupopo_hanai